オフィス移転はなぜ必要?企業がオフィス移転をする理由
オフィスのよくある理由は?
オフィス移転は、解決したい課題があるときに実施されます。自社が抱えている課題を解決する方法として移転は適切なのかが気になるかもしれません。オフィス移転の理由で多いのは次の6つです。
- 従業員の増加に対応するため
- 生産性やモチベーションを向上させるため
- ブランドのイメージアップのため
- 働き方の見直しのため
- コスト削減のため
- オフィスの集約・分散のため
それぞれの理由を詳しく紹介します。自社の課題があてはまるか確認してみてください。
従業員の増加に対応するため
オフィスの移転が必須なのは、スペースが狭いケースです。人数に対して適切な広さがあるため、従業員が増加してスペースが不足すれば、必然的に移転を選択することになります。せっかく業績が好調で優秀な人材がいるのに、オフィスが手狭では生産性が下がりかねません。
当然、働く側も狭い場所ではストレスが溜まります。優秀な人材を確保するためにも、ゆとりのあるオフィスに移転するのは良い選択です。今の人員に適した広さのオフィスに移転するのもいいですが、将来的に従業員が増えることを見越して、ゆとりのあるオフィスに移転するのもいいでしょう。
生産性やモチベーションを向上させるため
オフィス環境は、生産性やモチベーションを左右します。日当たりの悪いオフィスで一日中仕事をしていれば、心身の健康にも影響してしまう可能性が高いです。スペースが狭いと、仕事の能率が低下します。交通の利便性が悪い立地だと、毎日の通勤で疲れてしまうかもしれません。
生産性やモチベーションの向上を目的にオフィス環境を改善することは有効な方法です。内装を工夫するだけでは改善できないことがあれば、移転の強い動機になります。
ブランドのイメージアップのため
オフィスの所在地によっては箔が付くこともあるでしょう。駅から遠い場所から駅近くに移転するだけでも、業績が好調なのだろうと信用度がアップします。
また、「渋谷はIT企業」「表参道はアパレル」「役所の近くには士業」など、業種と立地のイメージが強く結びついているケースも。同業種が集まっているエリアにオフィスを構えることで、この定着したイメージを利用して自社のブランディングに役立てることができます。
働き方の見直しのため
テレワークなど働き方が多様化していることで、ワークスペースにも変化が必要なことがあります。テレワークが多くなった場合は、オフィスのスペースに余剰スペースが増えてしまうでしょう。このケースでは、小規模なオフィスへの移転が可能です。
フリーアドレス制など固定席にしない場合も、オフィス規模を縮小できるかもしれません。逆に、オフィスチェアに座る席とスタンディングデスク、ソファ席など様々なタイプの席を設置して自由に使えるようにしたいケースでは、広いオフィスへの移転が選択肢のひとつになります。
コスト削減のため
コスト削減の最も有効な手段は、固定費の削減です。固定費の中でも大きな割合を占める賃料を削減するためのオフィス移転は、コスト削減のフェーズで課題に上がることが少なくありません。移転のために一時的な出費はありますが、長期的にはコスト削減につながります。
ただし、賃料が下がっても生産性まで下がってしまえば意味がありません。コスト削減のためのオフィス移転は、生産性や社員のモチベーションが低下しないよう計画を立てる必要があります。
オフィスの集約・分散のため
オフィスの集約・分散のための移転もあります。集約は、コスト削減や部署間の協力体制構築に有効です。分散は、通勤のしやすさや災害時のリスク分散にメリットがあります。
集約する場合は、複数のオフィスをまとめることになるので、大きな規模のオフィスに移転することになります。面積・室数が不足すると生産性が下がってしまうので注意が必要です。
オフィス移転をするメリット
ハイブリッドワークに対応できる
出社型のオフィスワークと自宅など離れた場所で働くテレワークを組み合わせたハイブリッドワーク。このハイブリッドワークの導入をきっかけにオフィスの在り方を見直している企業は少なくありません。毎日全社員が出社するわけではないのなら、オフィスの規模は縮小してコスト削減ができます。
固定席を廃止してフリーアドレスを導入したり、コワーキングスペースを活用したりといった柔軟な働き方に対応できるのは、オフィス移転の魅力です。
社員同士のコミュニケーションの活性化につながる
社員同士のコミュニケーションに課題を抱える企業は、オフィス移転をきっかけに、コミュニケーションを促進できるレイアウトを構築することができます。
社員同士のコミュニケーションは、情報共有やストレス軽減、離職率の低下といった観点から重要です。しかし、オフィスのレイアウトによっては、コミュニケーションできる相手が限られてしまいます。オフィス移転は、コミュニケーションを重視したレイアウトに変更するいい機会です。
モチベーションや生産性が上がる
事業活動をしていく中で、オフィス内に荷物やOA機器が増え、使い勝手が悪くなってしまうことは少なくありません。社員が増えてスペースが狭く感じることもあるでしょう。使い勝手が悪いオフィスでは、生産性が下がってしまうばかりか、社員のモチベーションも低下してしまいます。
オフィス移転をきっかけに、動線を整え、ゆとりのあるオフィスになれば、モチベーションや生産性の向上が期待できます。リフレッシュスペースや集中ゾーンなど、ゾーニングを意識しましょう。
企業イメージの向上や定着により優秀な人材の確保につながる可能性がある
オフィス移転は、企業イメージの向上につながります。業種によってブランドイメージが向上する立地への移転は経営戦略として有効です。受付や応接室にコーポレートカラーを取り入れると、ブランドイメージの定着にもつながります。
企業イメージが向上すれば、優秀な人材も集まりやすいです。おしゃれなオフィスで働けるとなれば、さらに入社を希望する人も増えるでしょう。離職率も減り、優秀な人材の定着にもつながります。
オフィス移転のデメリット
働き方が制限される可能性がある
オフィス移転のメリットでは、多様な働き方が実現できると説明しましたが、逆に働き方が制限されるケースもあるため注意しましょう。
たとえば、オフィス移転で拠点を集約した場合、通勤可能範囲が狭くなります。引っ越しを余儀なくされる社員もいるかもしれません。逆に分散した場合も、通勤に不便が生じる可能性があります。
テレワークを増やしてオフィスを縮小した場合、出社スタイルに戻したくても戻せません。社員の働きやすさと将来のビジョンを考慮して移転先を検討することが大切です。
レイアウトを失敗する可能性がある
移転をきっかけにより良いレイアウトにしたいと考える企業は少なくありません。しかし、目的を明確にせず「見栄えの良いレイアウトにしたい」「とにかく広いスペースがほしい」「オープンなオフィスにしたい」といった曖昧なイメージでレイアウトを考えると、失敗する可能性があります。
既存オフィスでの課題を明確にして、その課題を解決するために必要なオフィスを検討しましょう。移転先を決めてからレイアウトを考えるのではなく、レイアウトを考えた上で実現できる移転先を選定することもポイントです。
移転準備の手間や時間がかかる
オフィス移転は、準備に手間と時間がかかります。現オフィスの原状回復工事や新しいオフィスの家具や備品購入、不用品の廃棄、移動のための荷造り、引っ越しなど、必要な工程は様々です。
移転準備の手間・時間が、通常業務を圧迫する可能性もあります。移転の目的が共有されていないと、社員の不満にもつながりかねません。移転準備のリソースをどのように確保するか、しっかりと検討する必要があります。
コストがかかる
当然ですが、オフィス移転にはコストがかかります。新オフィスの契約にかかる費用はもちろん、現オフィスの原状回復費用、新しいオフィスで必要なものの購入費用、引っ越し費用などです。専門家にレイアウトや設計を依頼する場合にもコストがかかります。
オフィス移転の最大のデメリットは、一時的ではありますが、少なくない費用がかかることです。移転に必要なコストと移転後の効果を洗い出して、コストに見合った効果が期待できるのかを検討しましょう。
オフィス移転を成功させるためのポイント
オフィス移転の目的を明確にする
オフィス移転の成功は、目的の明確化がポイントです。目的が明確になっていない場合、移転先のオフィスデザインが上手くいきません。「コスト削減」というだけでなく、新オフィスでどのような働き方をするのか、ビジョンを明確にしましょう。
また、オフィス移転には準備のための作業で社員に負担がかかります。オフィス移転の目的に社員が納得できないと、移転へのモチベーションも低下します。社員が移転後のビジョンに期待できるよう、目的を明確にしてください。
無理のないスケジュールを立てる
オフィス移転は、半年以上の期間がかかります。その間、手続きや準備が想定通りに進むとは限りません。イレギュラーな事態が発生しても対処できる程度に、無理のないスケジュールを立てておきましょう。
工事業者やオーナーとの話し合いなど、自社だけでは進まない工程も少なくありません。スケジュールに余裕がないと、妥協が出てしまったり、通常業務に支障をきたしてしまったりと、いいことがありません。ゆとりのあるスケジュールを立てることが大切です。
補助金や優遇措置を活用する
ものづくり補助金や地方拠点強化税制など、国や行政機関が補助金や優遇措置が用意されています。ものづくり補助金は、設備投資を支援する補助金です。地方拠点強化税制は、東京23区内から地方への移転などが対象になる優遇制度です。こうした制度が適用できるなら活用しましょう。
無条件で利用できるものではないので、利用できるかは確認が必要です。自治体によって独自に支援を行っていることもあるので、活用できる補助金がないか確認してください。
社員の希望を聞く
オフィスの移転によって、通勤が不便になる社員もいます。社員によってはレイアウトに配慮が必要なこともあるでしょう。社員は、現オフィスで働くことに同意しているため、新オフィスが希望と異なった場合、離職につながる恐れもあります。せっかくオフィスが新しくなったのに、社員が不満を感じるようでは、意味がありません。
移転先や移転後のレイアウトについては、社員の希望を聞き、希望に合ったオフィスを実現できるよう心がけましょう。
オフィス移転を成功させるなら「オフィス移転のプロ」に相談もアリ
オフィス移転は、社員のモチベーションを左右する大きなプロジェクトです。業績にも影響する重大な転機になります。ましてオフィス移転は何度もあることではありません。慣れていない社員が移転のプロジェクトを担うとリスクが高くなります。
オフィス移転を失敗したくないのであれば、オフィス移転のプロに相談することをおすすめします。専門家視点でのアドバイスで、目的を実現する効果的なオフィス移転が可能です。オフィス移転のプロなら、計画から実行まで任せることができ、社内リソースを割くこともありません。プロのノウハウを上手く活用しましょう。